短書

□くちなしの花
2ページ/16ページ



「ふっ、ん…」


ベッドで絡み合う二つの陰


部屋に響くのは荒い息遣いとスプリングの音


ただ、そこに愛なんてものはなくて

ただ欲を満たすだけの行為


互いに達したのか急に部屋が静まり返った


二人の間に静寂が訪れる





ベッドサイドに腰かけていた健斗は何も言わず立ち上がった


その背中を何も言わず見つめる文弥


「先シャワー使う」
「うん」
決まり文句のように毎回くりかえされるセリフ


健斗がシャワーを浴びに行くのを見届けてから文弥は勢いよく起き上がった

急いで脱ぎ散らかされていた服を身にまとい部屋をさる







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ